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ツナ日記-Toshi's Diary-

土壁と野菜と自分。

 先週は僕んちに友達が遊びにきて、土曜日は名古屋でのお話会
(後日アップします!)
今日はあわて長野へ帰った。写真展の準備があったから。

 来月10日からの、飯田・バオバブでの写真展。ただ額におさめて展示するよりも、
自分で額を作ってしまおうと思った。
で、ただの額では面白くないから、自分で土壁をこねて作って、

 写真×土壁  旅と左官のコラボレーション

をやってみたい!と思った。
一度そういったことを思いつくと、心のドキドキワクワクは止まらなくて、
その事で心がいっぱいになって、バイト中も、食事中も、はたまた夢の中でも、
気付いたら土壁のことしか考えられなくなってた。
そんなこんなで、色々お世話になっている大工のWさんに協力してもらって、
土壁の塗り方を教わった。 

 まず、家で使っていないヨシズを長方形(黄金比)に切って、
動かないように薄い貫を打ちつけた。
できるだけ廃材で作ろうと、家の周りにあるもので下地を作った。

 そして土壁の準備。
土・藁・砂を混ぜて一年近く寝かしたものを、スコップで掘り起こす。
これは左官用の土で、Wさんに分けてもらった。
別にその辺にある粘土質の土でも構わない。 
土壁と野菜と自分。_f0111786_102896.jpg

土に水を入れ、藁スサをダマにならないようにパラパラと入れる。
これは、つなぎの役割をしてくれる。一般の住宅に土壁を塗る場合いは、
ここに「つのまた」とよばれる海藻糊を入れるが、
そういった強度は今回は求めないので省いた。
土壁と野菜と自分。_f0111786_104441.jpg

混ぜてるととにかくよく粘る。一年間寝かしている内に土が発酵して粘りが出たから。
こねてるうちになんとも懐かしい気持ちが蘇ってきた。
土壁と野菜と自分。_f0111786_11282.jpg

こねあがったら、素手で一気に塗ってゆく。一回仕上げ。
ヨシズに擦り込んで、5ミリくらいの土を塗る。

泥遊び・・懐かしい気持ちは子供の時の泥遊びだ!

夢中になって遊んだ記憶が蘇って、身体がカッと熱くなった。
土壁と野菜と自分。_f0111786_11488.jpg

コテを使わないで、素手で微妙な模様をつけたり、
はたまたハケを微妙に水で湿らして、落ち着いた壁の感じを演出したりした。
左官仕事は誰でも楽しめる反面、もの凄く奥が深くて面白い。
壁の色や素手の模様一つで、壁の印象をガラッっと変えてしまう。
日本庭園や空間芸術の類だと自分は思う。
土壁と野菜と自分。_f0111786_12154.jpg

まぁ仕上がりは実際に見ないと分からないので、とりあえずこんなもんで。
これに天竜川で拾った流木を足につけて完成予定。
これと同じものをあと2つ作る。
土壁と野菜と自分。_f0111786_14050.jpg

 壁ができてそろそろ帰ろうと思っていたら、隣の畑で働いていたお婆さんが、
「きゅうり余ってない?よかったらどうぞ。」
なすときゅうりを沢山持ってきてくれた。ありがたい。
虫食いはあるけど、新鮮でまだトゲがピンピンに尖ってた。

野菜も土からできてるんだ。

そしてその野菜は、自分の心と身体を作ってゆく。
土壁と野菜がダブって見えた。
土壁と野菜と自分。_f0111786_121663.jpg

そうか・・自分も土なんだ。

身体の中の土くれが、自分にそう語りかけた。
土が血に溶けて、それが自分の身体をグルグル回ってるんだ。
土と野菜と自分が重なって、一つになって嬉しくなった。
土壁と野菜と自分。_f0111786_0455998.jpg

空を見上げると、東の空にまぁるい月。
月の柔らかな青に包まれてゆく。

ふぅーーー・・ゆっくり深呼吸。
柔らかな青と、土くれの身体が混じり合って、秋の夜に溶けていった。

自分とは「自然」の「分身」のこと、
日々の暮らしの中で、それを体感できることが嬉しいと思った。



by tuna_life | 2007-08-27 02:00 | 大工修行

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