ツナ日記-Toshi's Diary-

<   2009年 09月 ( 1 )   > この月の画像一覧




きのぼり


 ここ最近、自然とつながっている安心感を求めて、森へと足を運んで木登りをするのが好きだ。
とある森、一本のヒノキ。高さは15〜20メートル、幹の直径は60センチ位。枝打ちもされず、絡んだツルがあちこちから垂れ下がっている姿は、あまり元気そうではないが、いつもこの樹に登らせて貰っている。

「おじゃまします。」と、樹へ小さく語りかけ、登り始める。
 地上〜5メートルは、ツル一本にしがみついて、完全に宙ぶらりん。ヒノキの木は、地上から数メートルは枝が無い。登り棒のように登ってゆく。正直怖い。恐怖心、木への畏怖は、感性をより自然の中へと引き込んでゆく。

 地上から10メートル、枝に辿り着いて小休止。
枝にハンモックと命綱をかけて休んだ。気配を消して休んでいると、普段遠くからしか聞こえてこない野鳥の声が聞こえてきた。キツツキが近くの樹を「トントントン…」と突っついていた。とても大きな音で驚いていたら、真下では鹿がゆっくりとした足取りで通り過ぎていった。普段は感じられない野生の世界を垣間みた。自然はいつも示唆に満ちている。

 その上は、枝とツルが絡み付いていて、かなり無理をして登っていくしかない。幹の直径がどんどん細くなってゆく。足場となる枝は多いので怖くはない。突然視界が開け、てっぺんに辿り着いた。青い空と森の緑が眩しかった。

 風が樹を大きく揺らした。樹は大きく幹を揺らしながら、風を受け止めていた。幹が揺れる度に、その柔らかい揺れの波に心が解放されていった。ゆっくりと深呼吸をして、目を閉じ、心を風の波に任せていった。

 そう、あの時の気持ちだ!心の奥深くに眠っていた記憶が蘇ってきた。
小さい時のお母さんの腕の中、お父さんの膝枕。大好きな人と愛し合っていたとき。ありのままの自分を認めてもらえたとき。大丈夫だよ、一人じゃないよって、優しく受け止めてもらえた時…。波は安心感に満ちていた。ホッとして涙が出た。時間が経つのを忘れて、波に身を任せていた。

 海の無い信州でも、波を感じる事が出来るのだと思った。ゆっくりと、枝やツルをつたって樹を降りてゆき、地上へと帰った。風の波で、体がまだ揺れていた。心も体も、風と森に抱かれた安心感で満ちていた。

(木登りは自己責任で。怒られそうですが、危険は常に感じて気をつけています。)
[PR]



by tuna_life | 2009-09-12 17:08 | 日常

日々の近況報告と備忘録です。
by tuna_life
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

お知らせ!

4月に中川村に引っ越します。渡場の信号から、走って5秒の家です!

お気に入りブログ

最新のトラックバック

ライフログ

検索

ファン

ブログジャンル

画像一覧