ツナ日記-Toshi's Diary-

和釘

鍛冶屋さんが一本一本精錬して作った釘を「和釘」という。
工業的に作られた「洋釘」とはまるで違う。
築100年の蔵を解体していたら、和釘が使われていた。
抜いた釘は錆びが驚く程に少なく、先端は鋭く青光りしていた。

和釘は、洋釘よりも鉄の純度が高く錆びにくい。
そして鉄とは思えない程、柔らかく曲がる。
鋭く尖った先端は、打ち込まれて行く中で、木の繊維の中へしなやかに入り込む。
無駄な力が加わらず、木と和釘は一つに結ばれる。
まるで木と鉄が寄り添っているみたいだ。
鉄も自然素材なのだと、素直に実感できた。

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↑ごめん。この釘は錆びてるけど。

昔の大工さんは釘の使い方をよく知っている。
柱や土台等の、建物の骨組みを構成する部材には、釘を一切使っていない。
部材を簡単に分解・修理できるうえに、古材として別の建物へ転用するからだ。
床板等を打ち付けるために和釘が使われているが、本数が必要最低限に抑えられていた。
釘を少なくすれば板がとれてしまう、多いと分解が大変という、絶妙なバランス。
仕事をしながら、「ほれ、簡単に分解できるら。」
と蔵を建てた大工さんに語りかけられたみたいだった。

現代の大工が使っている釘やビスは、100年後はどうなっているのだろう。
再利用できない材料は産業廃棄物となるしかないのか。
大工を志す者として、何ができるだろうか。

手間を省いて豊かな暮らしを求める現代人と、
手間をかけて自然と共生する先人達。
古民家が次々と壊されてゆく過渡期の今、
先人達のもつ意識を、その技を、その形を、どれだけ大切に出来るだろうか。
古民家が次々と壊されてゆく過渡期の今。
自分にできることを学んでゆきたい。

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ごめんなさい。青光りした和釘を撮りたかったけど、こんなのしか手元に無かった。
バールでこじってもなかなか抜けない。普通の釘よりも格段に抜けにくい。
捨てるのがもったいないくらい、一本一本味わいがある。
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by tuna_life | 2008-03-14 20:44 | 大工修行

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