ツナ日記-Toshi's Diary-

はこべによせて

はこべ7月号によせて

石場立てという技術
 
 友人のSさんが、松川町・増野に古民家を改装してカフェをオープンすることになった。ウッドデッキやカウンターの作成を、師匠のKさん(僕の回りには師匠が沢山いる)の下で、作り方を教えて頂いた。とても興味深い工法を教わったので、備忘録として記録したくなった。

その名も「石場建て」

 石の上に建物を建てること。コンクリートが発明される以前、建物の基礎を据えるのに、大きな石を使っていた。今でも古民家や神社仏閣の基礎を見ると、石の上に建物がのっかっている。石の表面は丸く凸凹していて、束となる材木は、ただのっかっているのではなく、石の表面に合わせて削ってある。
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さてここで問題。どうやって石の丸みを計って削るのでしょうか?

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 単純なことだけれど、教わって納得。石の凸凹をなぞるようにコンパスを沿わせて、束にそのまま書き込んでいた。学校では、円を書く時にしか教わらなかったけれど、色々な使い道がある。それをノミと鋸とチェーンソーで削る。さらに、水平器をあてて、束が水平垂直になるようにさらに削る。ぴったりと水平垂直になると、たまらなく嬉しい。
束の上に大引(梁のようなもの)をのせ、根太を打ち、デッキ材を打って完成。途中からは師匠のKさんが作業したが、基礎作りから仕事に関わると、完成の満足感は大きい。

 セメントが発明される以前は、世界中で石を使う建築が行われていた。家の建て方は、いまよりもずっと穏やかで、自然と寄り添ったものだったのだろう。セメントが大量に使われる近代建築が始まると同時に、人間の暮らしはセメントを一つの引き金にして、ものすごい可能性をもった。超高層ビルを建て、超巨大ダムを作った。人間が自然を完全にコントロールできると思い込める時代になった。そうやって人間の暮らしは便利になった。
 
そんな中、石場建てという工法は、現代が忘れてしまった「大切な何か」を感じさせてくれた。コンクリート建築は自然を支配して精密なモノを作り出す。それに対して、石場建ては自然のあるがままに寄り添ってモノを作り出す。人と人間の関係がまるで違う。先人達の知恵に改めて感動した。
 出来映えについてはノーコメント。カフェに行ったら、デッキの足下を見てみて下さい。場所は、増野ワイナリーのちょっと下。八月オープンだそうです。
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by tuna_life | 2008-06-22 19:31 | 大工修行

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